今は「売り手市場」と言われ、就活生にとっては有利な市場。
そんな中でも未だに「学歴フィルター」だの「圧迫面接」だの、そんな声がちらほら聞こえてくる。
根強い企業風土によるものなのかはさておき。
私が実際に体験した就活話をしてみようと思う。「学歴フィルター」や「圧迫面接」よりは幾分かマシ……とも言えないが、やはり私自身も似たようなことを経験している。
驚くことにどちらも東証一部企業での出来事だ。株式市場への上場審査基準はクリア出来るのに、これから会社の未来を担おうとしている若者への扱いは不当とは。呆れてものが言えない。
最初に言っておく。こんな企業の相手はしなくて良い。
ぐらいに言える人は絶対に言って欲しい(スカッと)と願いながら、つらつら書いてみようと思う。
IT業界独立大手企業を受けた時の話
この記事に基づいて就活していたので、比較の意味で受けていた「独立系」だった。
説明会は百人規模超。大体、大学生と専門学生、半々くらいだっただろうか。一次面接は人事部長との一対一面接で、その場で合格を言い渡された。
この人事部長がクセ者だった。合格と同時に面接時のアドバイスも頂けたのだが、「専門学校」に通っている意味についてもう少し詳しく話せた方がいいと言われた。
詳細は割愛するが、私は家庭の事情から「二年」の制約を受けていたため、「短大」か「専門」の道しか残されていなかった。なので、聞かれればその旨はきちんとお話したし、専門学校云々ではなく、その中でいかようにして自分はこうしてきて、こう工夫して、こう成長した旨が話せれば良いのだろう、とその場で解釈した。
そして現場の主任クラス(技術職)との二次面接もパスし、最終面接。
話のくだりの人事部長も同席していた。結果は「残念ながら……」だったが、その理由が何とも言い難い理由だった。
正直、
だった。
「専門学生」の強みってなんなのだろう。私は未だに分からない。大学生さんより「実践で鍛えているので技術面で有利です!」とでも自信満々に言えば良かったのだろうか。そういう言葉を求めているんだろうなぁ、と言う節は見え見えだったが、敢えて私は言わなかった。そんなの大学生だろうが、専門学生だろうが、短大生だろうが、やる人はやるし、やらない人はやらないと思っていたからである。
結局、その人事は「私という個人」ではなく「専門学生」として私を見ていた。「専門学生」という属性に気を取られすぎていたと言ってもいい。専門学生に個人的な恨みでもあるんかいというぐらい「専門学生」を連呼していた記憶がある。
人事なのに「人」を見れないとは残念な人である。今思うと、ちょっとした「学歴フィルター」に近い。
私としても「専門学生」云々ではなく「個人」として話すべきだと言う旨をキチンと主張し、人事部長と話せれば良かったのかなと反省した一社であった。
そして、この企業。実はこの後、ちょっとした接点があったのだ。
無事、中小メーカーへの採用が決まり、晴れて新入社員。配属された日のことである。本当に、ふっと。事務所の案内をされている際、横にあったコピー機を見たのだ。そこには何と、見覚えのある名前が。
下りの企業名である。不思議な縁だなぁ、と思いつつ、私は好奇心からコピー機を指して伺ってみた。
最終面接落ちた際に感じていたもやもやが晴れた瞬間だった(良い性格)
ある業界分野で有名な企業を受けた時の話
ここは特色有りすぎて特長を列挙することができない企業である。ある特定業界においてオンリーワンと言える。そんな企業の面接と事後対応にて、私はとても不愉快な想いをした。
また、この企業を受けた際、偶然と言うか奇跡に近いのだが、中・高校の時の友人(同級生)に再会した。彼女とは一次面接日も一緒になるのだが、後々にとても重要な情報を私にもたらしてくれるキーマンとなる。
面接日まで一緒となった友人は職種が別だったため、面接官が別だった。友人の方は女性人事、私はまたもや人事部長だった。思えば第一印象からして嫌な予感があったのだが、その予想は見事に的中することになる。
ひとことめからしてヤル気のない人だな
頬杖つきながら、人の履歴書を片手で見て、ハンッと鼻で笑ってからの一声。正直、その場で帰りたかった。圧迫面接ではないが、片手間丸だし、「面接を受けさせただけでも有難くおもえ」感が凄かった。もう、こりゃ落ちたな~と内心思いつつ、てきとーにこなし、そろそろ終わりかなぁと思った終盤の出来事であった。
人事部長は私の目の前で、人の履歴書にボールペンでぐりぐり落書きを始めたのである。
メモとかではない。ぐりぐりぃっとインクの出を確かめるような落書きである。これには流石にカチンときた。その頃はまだ履歴書の手書きが主流だったため、履歴書一枚書くのにそこそこ時間がかかっている。修正はご法度、間違えればそれはもう使えない。人が凄い神経をすり減らして書いた履歴書に落書きとは、良い度胸である。
と、でも言って、颯爽と帰ってこられればかっこよかったのだろうが、当時の私には出来なかった。至極、心残りである。
だが、この企業。これだけで終わらなかった。
下りの友人はこの企業に合格し、社員となった。……と、言っても程なくして辞めた。
まぁ、それもよく聞く話だなぁ……と思いつつ、更に友人はこう教えてくれた。
開いた口がふさがらない、という言葉はこういう時に使うのだろう。言われて、私も実際に見たのだが本当に使われていた。そうは言っても顔がぼやけてて、背景の一部でしょ? と思われそうだが、そんなことはない。ばっちり真ん中にくっきりと私が起立して問いかけている写真だった。
よくもまぁ、散々人をコケにして落としておきながら、その落とした人間の写真を使ったものである。良い度胸だ。今のご時世なら肖像権で訴えられたかもしれない。
ちなみにこの会社が属している業界は、一番プライバシー侵害系をやってはいけない業界だと私は思っている。コンプライアンスがガバガバなのはご法度だ。
まとめ
いかがだっただろうか。驚くことにどちらも実話である(しかも東証一部企業)
20社近く受けての2社なので、10社に1社の割合でこんなのが居るのかもしれないと思うとぞっとする。運悪くエンカウントしてしまった人は相手にしない方が懸命だ。はっきり言って時間と労力の無駄である。
同時に私たちも忘れてはいけないのだな、と感じた。どんな相手であれ、仕事上の立場をわきまえ、かつ、真摯にあるべきことをまっとうすることが大事だ。無論、クレーマー相手なら話は別だが。
本人たちが知らぬうちに立場が逆転したり、思いがけないところで仕事を一緒にする機会があるやもしれない。意外と世の中は狭いのである。その時に「あれ、あの時の✕✕さんですよね?」なんて言われてしまわぬよう、過ごすべきなのだ。
ではでは、この辺で。
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